《第69回 波瀾万丈の交流戦、振り返りと裏話》

《第69回 波瀾万丈の交流戦、振り返りと裏話》


ショウアップナイターファンクラブの皆さん、ご機嫌いかがですか。深澤弘です。交流戦も終りまして、今週は交流戦について振り返ってみたいと思います。交流戦が始まったのが2005年ですから、もう随分経ちますが毎度お馴染みのパシフィック・リーグ優位でセ・リーグ負け越しという。今年はセ・リーグのチームも結構頑張ったのですが、何しろお荷物になるチームがいくつかあって、結局また今年もセントラル・リーグがパ・リーグに敗れたわけです。

これで交流戦の賞金が全部パ・リーグのチームに持っていかれまして、ソフトバンクが1000万円。優勝賞金です。それから、第2位の西武が500万円。以下、楽天、オリックス、日本ハム、ロッテと500万ずつ減って、6位のロッテが100万円。セントラル・リーグは1円も無しと。それから最高勝率球団として、ソフトバンクがプラス500万円を獲得しました。最初はもっと賞金が高かったのですが、段々交流戦の試合数が減っていきまして、それでスポンサーももう金出せないというので、賞金もどんどん減って、今のような賞金になったわけです。

元々2005年に交流戦が始まった頃は、大リーグでもだいぶ人気になっているので、交流戦でもやったらどうだ。面白いんじゃないかということで、気運が高まっていたのですが、なかなかセントラル・リーグが交流戦に踏み切ることが出来ない。一方、パ・リーグの方は何としても交流戦をやってというか、各球団ジャイアンツとホームゲームをやりたかったんですね。というのは何故かというと、当時はまだ地上波のテレビの放送権というのは取り合いだったんですね。特にジャイアンツが主催かジャイアンツが絡むカードの放送権というのは、例えばセントラル・リーグでヤクルト-巨人。神宮ですね。それから当時の市民球場の広島-巨人なんていうのは、大体1試合放送権料を主催球団が9000万から1億円くらい取ることが出来て、それを地元の各球団というか放送局に振り分けるわけです。

例えば広島なんか例をとっても、広島-巨人戦、広島市民球場でのこの試合がもし13試合あったとすると、どうしても地元の放送局の数に割り切れない。従って、1試合くらい多く取る局と少なく取る局で不公平が出てくる。そこで、値段がどんどん上がって、1試合を放送するのになんと1億円くらい掛かって。これが放送局側としては非常に大変な負担になるのですが、球団側としてはこれがドル箱になりまして。そういうことを聞いていたので、パシフィック・リーグは是非、西武-巨人とか、ロッテ-巨人とか、いわゆる巨人の絡んだカードを自分の本拠地でやりたい。そこで当時はパ・リーグの方がセ・リーグに比べて今より人気が無かったし、観客動員も遥かに少なかったので、パ・リーグの方がセ・リーグに対して営業的に助けて欲しいと。巨人戦をやることによって、観客もたった2試合、3試合しかやらないにしてもお客さんの数は多いし、放送権料が1試合1億円くらい取れるんだからパ・リーグを助けて欲しいというので、セ・リーグが「分かった」とも言わない、「仕方ないだろう」という感じでセ・リーグがパ・リーグに1歩譲って公式戦が始まったわけですね。

その時から、“人気のセ、実力のパ”なんてことを巷では言われておりまして、セントラル・リーグの球団はパ・リーグとの交流戦によってどのくらい食われるか、どのくらいペナントレースで優勝するか、ということで非常に怖がってやったんですが。初年度2005年、1回目の交流戦というのはセントラル・リーグが104勝、パシフィック・リーグが105勝、7つの引き分け。2年目もセ・リーグが107勝、パ・リーグが108勝。「良かった。力的に大体同じだ」ということで、セ・リーグはほっとしたのですが。なんと3年目からどんどん差がついてきまして、2009年の5年目だけセ・リーグが70勝、パ・リーグが67勝でセントラル・リーグが勝ったんですけれども。その1年だけで、あとはことごとくセ・リーグがパ・リーグのチームに敗れて、それが結果的には最後の優勝争いの星勘定の時に大きく響いてくるという。

ですからパ・リーグは「まだまだこのまま続けたい」、セ・リーグは「「もう止めたい」と。毎年オフになると「もう交流戦いいんじゃないか?」というのがセ・リーグの方から出るんですね。パ・リーグの方は昔ほどではないにしろ、相変わらずジャイアンツ戦というのはよく入るし、阪神タイガースでもよく入る。違ったカードをたまにやるということは営業的にもメリットがあるので、パ・リーグの方は「なんとかずっとこのまま続けて欲しい」、セ・リーグは「もう勘弁して欲しい。パ・リーグにやられるのはこれ以上嫌だ。勘弁して欲しい。」というので、とうとう試合数がお互いに18試合だけやるということになったんですね。

当時、もっとやっていた時には優勝賞金が5000万くらいの時があったんですね。最初にロッテが優勝した時の優勝賞金は確か2、3000万だった。それでロッテは球団のバス買っちゃったという。確か何年目かの時、ロッテが優勝賞金で“ロッテ・マリーンズ”と入ったバスを買って、色々なイベントとか選手の移動なんかに使ったのですが。もちろん選手にも分けてやらなきゃならないので、優勝賞金を全額使えるわけではないのですが、いずれにしても全てにおいてパ・リーグはこの交流戦でいい思いをしてきたんですね。

今年もやっぱりシーズンオフになると、「もういいんじゃないか」というのがセ・リーグから出ると思うんです。「もう交流戦勘弁してくれ」と。ところが、観客動員の数もあまり減っていない。ですからNPBは、「そんなこと言わないでこのままやろう」なんですね。パ・リーグの方は1億円という放送権料で懐が潤うほどではないんだけれど、パ・リーグにとってマイナスは何も無いわけですね。しかも星が稼げるということで。18試合より数が減ってしまうと交流戦の意味が無くなるので、このまま来年以降もやっていくと思うんですけれど、さぁこれからどうなるか。これがまたね、決まるまでに日にちが変わるんですよ。何回も何回もあーだこーだ話し合って、たったこれだけのことを決めるのにもの凄く時間がかかるのですが。しかしこれからどうなるかですよね。

ただ、今年の交流戦振り返って一番見事だったのは広島ですね。広島がソフトバンクと同じで12勝6敗、星を分けたんですが、結局ソフトバンク-広島は直接対決でソフトバンクが勝っておりますので、ソフトバンクが優勝ということになったのですが。唯一広島、そして阪神もさすがですね。阪神が10勝8敗。広島が12勝6敗。ご存知のように、もう言っても仕方ないのですが、巨人とヤクルトが銀行になってパシフィック・リーグにどんどん献金してしまいました。

しかし、ヤクルトはこれで立ち直れるか、巨人もこれをどうするかですけれど。これからいよいよ交流戦が終って、どう戦力を立て直してくるか。幸い今度の交流戦は雨で中止はほとんど無かったので。DNAの試合は1試合残りましたけれども、あとは全部消化して。従って、ペナントレース再開までに4日間というたっぷり日にちをおいたので、各チーム立て直すには非常に良い日にちになったと思うんですね。特にジャイアンツがどう立て直してくるか。GMも変わりました。まぁGMが変わったからといってチームが強くなるわけではないのですが。しかし、ジャイアンツがどう立て直してくるか。ヤクルトの故障者が少しでも戦列に戻ってくるか。このあたりが非常に興味のあるところです。なにしろ、波乱万丈の交流戦が終わって各チーム本当のところほっとしているのではないかと思います。

さて、今週の深澤弘のショウアップナイターヒストリーいかがでしたでしょうか。ショウアップナイターファンクラブでは毎週月曜日に深澤弘のショウアップナイターヒストリーを更新してまいります。これからも楽しんで頂ける裏話、とっておきのネタを色々お話したいと思いますので、どうぞ皆さんお楽しみに。ではまた来週、深澤弘でした。